60%キーボードの特徴と魅力とは?コンパクトで使いやすいおすすめ製品も紹介

仕事の生産性を向上させるために、使いやすいキーボードは重要な存在です。自分に合ったキーボードを選ぶ際には、キーの打ち心地やキー配列などを意識することが多いと思いますが、キーボードのサイズ感も欠かせないポイントのひとつです。

キーボードの操作に慣れた方のなかには、スピーディーなタイピングを実現するために最小限のキーで構成された「60%キーボード」を愛用している方も少なくありません。

そこで本記事では、60%キーボードとは何か、一般的なフルサイズキーボードやテンキーレスキーボードとの違いやメリット・デメリット、60%キーボードの選び方もあわせてご紹介します。

60%キーボードとは

キーボードサイズ比較

60%キーボードとは、テンキー(電卓のように数字が並んだ、数字入力専用のキー)付きのフルサイズキーボードに比べて、60%のサイズのコンパクトなキーボードのことです。

フルサイズキーボードには、右側の部分にテンキーやDeleteキー、PageUp/PageDownキーなどが配置されていますが、60%キーボードの場合は独立したキーとして存在せず、複数のキーを組み合わせるコンビネーションで入力できます。

ちなみに、テンキー部分のみが省かれたキーボードはテンキーレスキーボードとよばれ、フルサイズキーボードに比べて80%のサイズとなっており、60%キーボードとは区別されます。

コンパクトな60%キーボードは、デスクの上を広く使えることからゲーマーに人気ですが、それ以外にもプログラマーやライターなど日常的にキーボードを多用する職種からも人気です。

60%キーボードのメリット・デメリット

フルサイズキーボードやテンキーレスキーボードと比較した場合、60%キーボードにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
同時に、デメリットとして考えられるポイントもご紹介しましょう。

メリット

主なメリットは以下の4点です。


1.ホームポジションが崩れにくい

フルサイズキーボードやテンキーレスキーボードの場合、テンキーでの数字の入力や、DeleteキーやPageUp/PageDownキーを使用する際にホームポジションが崩れてしまい、そのたびに手の位置を戻さなくてはなりません。

しかし、テンキーやファンクションキーを引き算したミニマルな60%キーボードであれば、ホームポジションを崩すことなくあらゆるキーを入力できるためタイピング速度が向上します。


2.デスクがスッキリする

フルサイズキーボードに比べて60%のコンパクトなサイズ感のためデスクの上に置いたときにスペースをとらず、広々と使うことができます。

たとえば、キーボードのほかにマウスやスマートフォン、その他周辺機器などを置いてもデスクに余裕があり、限られたスペースでも生産性を向上できるでしょう。

また、60%キーボードはコンパクトでシンプルな見た目のものが多く、デスクの上に置いただけでもおしゃれに見え、部屋のインテリアとしても馴染みやすいです。


3.マウスまでの距離が近い

60%キーボードは他のキーボードに比べて幅が小さくコンパクトなため、キーボードからマウスへ持ち替える際に手の移動距離が短くて済みます。

たとえば、PowerPointでプレゼン用の資料を作成するときなど、キーボードでテキストの入力を行った後にマウスでカーソルの移動をすることも多いですが、手の移動が最小限で済むため作業効率アップにつながります。

また、キーボードの幅が小さい分、マウスの可動域が広くとれるのも大きなメリットといえます。


4.持ち運びしやすい

フルサイズキーボードは幅や重量があり持ち運びに苦労することも多いですが、コンパクトな60%キーボードであればバッグからはみ出しにくく、すっぽり収まります。

そのため、職場ではデスクトップPC、外出先ではノートPCなど、複数のデバイスを使い分けている場合でも、それぞれのデバイスに使い慣れたキーボードを接続して使用できます。

デメリット

60%キーボードのデメリットとして考えられるポイントは、キー配列が少し特殊で操作に慣れるまでに時間を要することです。

60%キーボードにはDeleteキーやPageUp/PageDownキーなどがなく最小限のキー配列となっています。また、キーボードではおなじみのカーソルキー(矢印キー)も省略されている製品が存在します。

それら省略されたキーを入力するには複数のキーを同時押しする必要があり、慣れるまで使いづらさを感じることがあります。

ただし、使い始めは入力に時間がかかるかもしれませんが、慣れると手を大きく左右に動かす必要がなくなり入力効率アップを実感できるでしょう。

60%キーボードの選び方

キーボードサイズ比較

60%キーボードはさまざまなメーカーから販売されています。そこで、どのような基準をもとに製品を選べば良いのか、3つのポイントに分けてご紹介します。

1.キー配列

キーボードには大きく分けてJISキーボード(日本語配列キーボード)とUSキーボード(英語配列キーボード)があります。

USキーボードには"かな"の刻印がなく、シンプルでスタイリッシュなデザインが大きな魅力ですが、その一方で全角/半角キーがなく、スペースキーやEnter/Returnキーの大きさも異なるなど、キー配列に大きな違いがあります。

また、頻繁に使用する記号のキー配列も違いがあります。たとえば「"」を入力する場合、JIS配列ではShiftキー+2で入力できますが、US配列で同じキーを押すと「@」が入力されます。

見た目がスタイリッシュでかっこいいからという理由だけでUSキーボードを選ぶと、慣れるまでに時間がかかったり、使いにくいと感じたりすることもあるため、USキーボードに慣れていない方や、かな入力をする方はJISキーボードがおすすめです。

ちなみに、キーマップ変更機能のあるキーボードであれば、多用するキーを利用しやすい位置に配置できるため、タイピングスピードが向上し業務効率化にもつながります。キー配列の種類と合わせて、キーマップ変更機能の有無もあわせてチェックしておきましょう。

2.接続方式

キーボードの接続方式は、有線とワイヤレスから選択できます。
複数のデバイスを切り替えながら使用する、あるいはデスクの上を広く使いたい場合にはワイヤレス接続がおすすめです。

ただし、ワイヤレスキーボードの電源としてよく使用されるリチウムイオンバッテリーの寿命は、およそ500回の充電回数が目安とされています。バッテリーの寿命を迎えると充電が頻繁に切れることがあり、バッテリー交換に出さなければなりません。

メーカーへ発送しバッテリー交換が完了するまでキーボードが使えないとなると不便を強いられるため、乾電池を電源として利用できるキーボードがおすすめです。
また、ワイヤレスと有線を併用できるタイプのキーボードも存在します。

3.静音性

自宅や出張先などにキーボードを持ち運んで仕事をする場合、タイピングの音によって周囲の人に不快感を与えるリスクもあります。周囲からの苦情やトラブルを避けるためにも、静音性が考慮されているかどうかもキーボード選びのポイントとして押さえておきましょう。

60%キーボードのなかには、快適な打ち心地と優れた静音性を両立した製品もあります。

ハイエンドな60%キーボード「HHKB」シリーズ

エンジニアやライターなどから根強い人気のある「HHKB」シリーズも、すべて60%キーボードです。2023年秋に登場した注目の新製品を含め、最新のラインアップをご紹介します。

HHKB Studio

HHKB Studio

「HHKB Studio」は、PFUから2023年11月に発売されたばかりの新製品です。
幅308mm、奥行132mm、高さ41mmというコンパクトなサイズ感にまとめられており、GとHのキー中間にポインティングスティック、スペースキーの下部にはマウスボタンも搭載しています。

さらに、キーボード本体の左右および下方の側面にはジェスチャーパッドを搭載し、この部分をなぞることで画面のスクロールや切り替え、ボリューム操作なども直感的に操作が可能です。
※ジェスチャーパッドの機能はキーマップ変更ツールでカスタマイズできます。

また、さまざまな場面で活用いただくことを考え、静音性に優れたリニアタイプの静音メカニカルスイッチを採用しました。
HHKB Studio一台だけでキーボードはもちろんのこと、マウスやトラックパッドの機能も利用できることから、キーボードと別にマウスを持ち歩く必要がなくなり、デスクの上もより広く使うことができるでしょう。

接続方式はワイヤレス・有線の両方に対応しており、単3形電池4本で約3ヶ月使用できるほか、交換用の電池がないときにはUSBコネクターからの給電で駆動も可能です。
なお、HHKB StudioはUSキーボード・JISキーボードの両方のキー配列に対応しています。

HHKB Professional HYBRID Type-S

HHKB Professional HYBRID Type-S

シンプルな60%キーボードをお探しの方には、「HHKB Professional HYBRID Type-S」がおすすめです。
耐久性に優れた「静電容量無接点方式」を採用しており、3,000万回以上の打鍵が可能。しなやかで心地よいキータッチを実現しているほか、静寂性にも優れたキー構造となっているためタイピング時の音も抑えられます。

ポインティングスティックやマウスボタン、ジェスチャーパッドといった機能は搭載していませんが、その分HHKB Studioよりも手頃な価格を実現しています。

また、こちらのモデルもUSキーボード・JISキーボードの両方のキー配列から選択でき、接続方式もワイヤレス・有線の両方に対応しています。

カラーバリエーションは墨・白に加えて、鮮やかな純白の「雪」もラインアップ。シンプルでスタイリッシュな見た目にこだわる方のために、キーに文字が刻印されていない無刻印モデルも用意しています。

持ち運びには専用スリーブケースもおすすめ

コンパクトで持ち運びがしやすいHHKBシリーズだからこそ、バッグの中に入れたときに破損が気になるものです。
そこで、出張やテレワークなどでキーボードを持ち運ぶことが多い方には、専用スリーブケース「Keyboard Pod」との併用がおすすめです。

柔らかい素材で厳重にガードし、HHKBシリーズがぴったりと入るサイズのため、ケース内で擦れて傷がつく心配もありません。
持ち運びの際に振動や衝撃が加わってもしっかりと保護してくれるほか、USBケーブルやパームレストなどの小物類を収納できるポケットも装備しているため、HHKBシリーズとセットで用意しておきたいアクセサリーのひとつです。

コンパクトな60%キーボードは仕事の相棒に最適

テンキーやファンクションキーなどが充実したフルサイズキーボードは、キー配置が分かりやすく初心者にとっても使いやすいメリットがあります。
一方で、キーの数が多いことからホームポジションから手を移動することも多く、手間に感じてしまうこともあるでしょう。
60%キーボードは最小限のキー配置であることから、コンビネーション入力を駆使することでホームポジションを崩すことなくほとんどの操作が可能です。
また、フルサイズキーボードに比べて60%のサイズということもあり、コンパクトで持ち運びにも最適です。テレワークや出張が多く、オフィス以外の場所でも仕事をする機会が多い方にとっても、心強い仕事の相棒になってくれることでしょう。

関連メディア

PFU JOURNAL
デジタル整理スタイル
デジタラクル