なぜ今メカニカルキースイッチ? メカニカルキースイッチの最新事情を解説

メカニカルキースイッチの最新事情

今、メカニカルキースイッチを採用したキーボードが注目を浴びています。自作キーボードやゲーミングキーボード、高級キーボードと呼ばれる製品など、メカニカルキースイッチを採用したキーボードが多く発売されるようになってきています。

実はメカニカルキースイッチと呼ばれているCherry MXスイッチは、発売からすでに40年以上経過している歴史あるスイッチです。それがなぜ今これほどまでに注目されているのでしょうか。

本記事では、なぜ現在メカニカルキースイッチが注目されているのか、メカニカルキースイッチの最新事情と自分にあった製品選びのポイントもあわせて紹介します。

メカニカルキースイッチとは

メカニカルキースイッチの構造

メカニカルキースイッチとは金属パーツが接触することで動作するタイプのスイッチで、代表的な製品としてCherry社のCherry MXスイッチがあります。

設計の工夫で途中まで押すだけでスイッチがオンになるため、底を打つまで力強く押し込む必要がなく、指にやさしく入力ができることが特徴です。

指にやさしいことや押し心地がよいことから、プログラマーやSE、ライターなど、キーボードで多くの文字を入力する人々に向いているスイッチとなっています。

なぜ今人気?

様々なキースイッチ

40年以上の歴史があるメカニカルキースイッチですが、ここ10年程度でCherry MX以外の互換スイッチが幅広いメーカーから発売されるようになり、多彩なスイッチが安価で手に入るようになりました。

同時にメカニカルキースイッチを採用した高品質なキーボードの開発も進み、スイッチとキーボードの両面から品質が急速に向上してきました。

メカニカルキースイッチの注目が高まり、それを採用したキーボードが増えて定着してきた背景には、これらの低価格化と高品質化の同時進行が挙げられます。

触り心地が大幅に向上した最新のメカニカルキースイッチ

遊舎工房などのキーボード専門ショップでは、さまざまな種類のメカニカルキースイッチが販売されています。自分にぴったりな触り心地のメカニカルキースイッチを選ぶためには、どのようなポイントに注目したらいいでしょうか。

ぐらつきの少なさ

メカニカルキースイッチはスイッチの軸がレールの上を滑る仕組みになっています。この軸とレールの余裕が大きくぐらつきが大きいと、スイッチを押したときに心地よさが損なわれてしまいます。

軸の比較

左のスイッチに対して右のスイッチでは軸のぐらつきが小さいことがわかります。最新のスイッチではこのぐらつきが小さく、気持ちよい押し心地の製品が増えています。

ですが、軸とレールの余裕が少なすぎると逆に押し心地が悪くなってしまうので、好みのバランスの製品を探してみるのがおすすめです。

素材

最新のメカニカルキースイッチでは、設計や素材の組み合わせ、潤滑油を塗布するなどの工夫によって、よりなめらかで心地よい押し心地を目指した製品が増えています。

特に最近ではプラスチック素材の研究によるなめらかさの改善が追求されています。素材によって押したときのすべりや滑らかさが異なるので、各メーカーが工夫をこらしています。

分解したキースイッチ

最近のスイッチではナイロンやPOMと呼ばれる高機能プラスチックが使われることが多いですが、その他にも新しい独自素材を採用している製品も多くあります。

複数の素材を組み合わせることも一般的になっており、その組み合わせも様々なので、素材に着目しながら好みの組み合わせを探してみましょう。

潤滑

最近のメカニカルキースイッチでは内部に潤滑剤を塗布したものも増えています。潤滑剤の効果で動きがなめらかになるだけでなく、不要な振動を抑えることでカチャカチャといった機械的なノイズを抑えることができます。

最初から潤滑されている製品は「ファクトリールブ」と呼ばれる事が多いので覚えておくといいでしょう。

あえてファクトリールブされていない製品を購入して自分で潤滑剤を塗るなど、自分だけのこだわりのスイッチを追い求める人もいます。

音や色

メカニカルキースイッチでは上記の通り素材や潤滑などで押し心地の改善が行われていますが、同時に素材や潤滑による音の調整や、スイッチ自体の色など新しい要素の探求も進んでいます。

「カチャカチャ」といった機械的なノイズがする製品は最近では少なく、「コトコト」といった落ち着いた音や「カラコロ」といった小気味よい音がする製品も増えています。

また、静音スイッチと呼ばれる内部に吸音機構を持った製品もあります。こういった静音スイッチではメカニカルキースイッチと言われてイメージする音がしないので、押し心地はほしいけれどオフィスなど音を出すのが気になる環境で使いたい場合におすすめです。

また、色や透明度が異なる製品もたくさん販売されているので、見た目でキースイッチを選んでみるのもいいでしょう。

好みのメカニカルキースイッチをみつけよう

この記事ではメカニカルキースイッチの最新事情を紹介しました。メカニカルキースイッチといえばCherry MXしかないという時代が長かったですが、最近では非常に多くの高品質なメカニカルキースイッチを比較的安価に入手することができます。

HHKB StudioではKailh製のオリジナルカスタム静音スイッチを採用しており、メカニカルキースイッチでありながら静電容量無接点スイッチのような滑らかで静粛な打ち心地を実現しています。

また、HHKB Studioなどの最近のキーボードはキースイッチのホットスワップという機能に対応していることも多いです。簡単な手順でキースイッチを交換することができるので、好みのスイッチを探して付け替えてみると新しい発見があるかもしれません。

ホットスワップ対応のキースイッチ

最近では毎週のようにメカニカルキースイッチの新製品が登場しています。この記事を参考に、最新のメカニカルキースイッチを探して、自分のお気に入りの製品を見つけてみてください。

関連メディア