HHKB博士に聞く!
購入前に知っておきたいHHKB活用術~キーマップ変更ツール編~

HHKB博士からHHKBの基礎を学び、その魅力に取りつかれたひよこライター。
HHKBの良さを余すところなく堪能するために、もっと実践的な活用方法が知りたくなり、再びHHKB博士のもとを訪れました。

「DIPスイッチやキーマップ変更ツールが便利そうなのはわかったけど、イマイチどう活用してよいか想像がつかない」
「カスタマイズをしてみたいけど…自分にはどんなカスタマイズがよいのだろう?他の人はどう使っているの?」

そんな疑問を2回にわたって解決する、DIPスイッチとキーマップ変更ツールについての特集の第2回。キーマップ変更ツールについて、より深く知っていきましょう!

田上博士!今回は「キーマップ変更ツール」についてですね!
よろしくお願いします!

よろしくお願いします。^^

打鍵感を超える魅力!?キーマップ変更ツールとは?

早速ですが、「キーマップ変更ツール」について覚えていますか?

はい!キーの配置を自由にカスタマイズできる機能でしたよね?

そのとおりです。キーボードは、使う人によってよく使うキーや使い慣れたショートカットキーが異なります。自分好みにカスタマイズすることで、より使いやすいキーボードになります。

「キーマップ変更ツール」はこちらからダウンロードできます。

キーマップ変更ツール
ドラッグ&ドロップで、キーを配置できます。

自分にピッタリの配列になれば、作業効率もHHKBへの愛着も増しそうです!

HHKBはキーの配列をWindows用とMacOS用、それぞれ別で登録できます。
また、「Fn」を押さない状態での配列と「Fn」を押した状態の配列、どちらもカスタマイズすることができますよ。

「Fn」とのコンビネーションもカスタマイズできるなんて…!
私は手が小さいので、同時押しでよく使うキーが押しやすい位置にあると助かります!

HHKBは元々ホームポジションを崩さずにタイピングできる合理的な配列が特長ですが、キーマップ変更ツールで配列をカスタマイズすることで、ホームポジションのまま押せるキーが増やせる、使う頻度の高いキーを押しやすくするなど、よりご自身がタイピングしやすい形にできます。

何より、一人ひとりに合わせたキーマップ情報をHHKB本体に書き込み、持ち運べるというのが利点です。
PCが変わっても、キーマップは同じ設定のまま、同じキーボードが使える。まさに馬の鞍(くら)!

ただし、仕事などで他のキーボードもよく使用するという場合には注意も必要です。

あ、確かに。あまりに自分専用のカスタマイズに慣れてしまうと、他のキーボードを使ったときに戸惑ったり、ミスタイプが多くなったりしてしまいそうです。

でも、それだけ自分専用の使いごこちが良すぎる!ってことですよね。HHKBは打鍵感が魅力といわれていますが、キーの配列を自由にカスタマイズできるという点も、一度使ったらハマってしまうという魅力のひとつなんですね。

そうですね^^
ただ自由にカスタマイズできるとはいっても、一部、変更できないキーもあります。Bluetooth接続のペアリングで使用するキー(Fn+Q、Fn+Z、Fn+X、Fn+左Control、Fn+右Shift)は変更できませんのでご注意ください。

予約キー(Fn+Q、Fn+Z、Fn+X、Fn+左Control、Fn+右Shift)は変更できません。

なんだか、私もキーマップのカスタマイズがやってみたくなってきました♪
でも、実際にどんな配列にしたらよいか、イマイチ想像がつきません。
配列って、どんな風に考えたらよいのでしょうか?

普段どんな使い方をしているかがヒントになるでしょう。
例えば…

  • Windows/macOSの配列、どちらに慣れていますか?
  • 半角/全角キーは使いますか?
  • Home/Endキーは使いますか?
  • 押さえにくいキーはありますか?
  • あまり使わないキーはありますか?
  • どんなショートカットキーをよく使いますか?
  • 数字入力のとき、テンキーは使いますか?

Windowsの配列に慣れていて、半角/全角キーを多用しているようなら、HHKBのEscキーを半角/全角キーに変更してみてもよいかもしれません。

なるほど、自分の使い方に合わせて、使いやすくするためにはどういうキー配列がよいのか、って考えればいいんですね?
でも、自分の想像していないようなキーマップもあるかもしれませんよね!他にどんなカスタマイズがあるのかも知りたいです!

では、いくつかカスタマイズ例を見ていきましょう!

例①Windowsユーザー向けカスタマイズ例(日本語配列)

こちらは、Windowsユーザー向けのカスタマイズ例です。Windowsの基本的な配列に近づけています。

Windowsを使用していてなかなかHHKBの配列に慣れない人や、逆にHHKBの配列に慣れてしまうと仕事で困ってしまうといった人にも向いている配列でしょう。

「Fn」を押さない状態の配列

●ポイント

  • 左端の並び順をWindowsに近づけるため、DIPスイッチの2番(※)をONにして、「Control」を「Caps」(英数)に、左下の「Fn」を「Control」にしています。
  • 「Esc」を「」(半角/全角)にしています。
  • 「Fn」がなくなってしまうため、「」(半角/全角)を「Fn」にしています。

「Fn」を押した状態の配列

●ポイント

  • ノートPCでなじみのある配列にするために、「Fn」+カーソルキーで「Home」「End」「PgUp」「PgDn」となるようにしています。

※DIPスイッチの設定は英語配列か日本語配列かによって異なります。詳しくは、「HHKB博士に聞く!購入前に知っておきたいHHKBの応用~DIPスイッチ編~」を参照してください。

確かに、左端の「」(半角/全角)、「Caps」(英数)や「Control」の並び順がWindowsのPCで見慣れた順番で使いやすそうですね。HHKBの配列に苦手意識があるなら、この配列を試してみるというのもアリかも…。

例②Macユーザー向けカスタマイズ例(日本語配列)

こちらは、Macユーザー向けにMacの配列に近づけたカスタマイズ例です。ここでは、「Fn」を押さない状態の配列だけをカスタマイズしています。

「Fn」を押さない状態の配列

●ポイント

  • Macで使用するので、DIPスイッチの1番(※)をONにして、Macモードにしています。
  • 最下段の並びをMacに近づけるため、「」(Caps)を「Alt」(Opt)にしています。
  • 「1」と「Esc」の押し間違えを防ぐため、「Esc」を「1」にしています。
  • 「Esc」がなくなってしまうため、左の「Alt」(Opt)を「Esc」にしています。

※DIPスイッチの設定は英語配列か日本語配列かによって異なります。詳しくは、「HHKB博士に聞く!購入前に知っておきたいHHKBの応用~DIPスイッチ編~」を参照してください。

「Alt」(Opt)と「◇」(Command)は、キーボードの左端からの距離感を重視しています。スペースキーからの距離感を重視したい場合は、DIPスイッチ5をONにして、「Alt」(Opt)と「◇」(Command)を入れ替えてもいいかもしれません。

おや、「1」が2つもありますよ?

Macのキーボードでは「Tab」の上に「1」が配置されているので、HHKBの元の配列だと、「1」を押そうとして「Esc」を押してしまうことがあります。それを防ぐために、この例では「Esc」を「1」にしています。
また、それに伴ってなくなってしまった「Esc」を「Alt」(Opt)の位置に移動しています。

なるほど!タイプミスを防ぐために、「1」を2つ配置してもいいんですね。

もちろんです。自分の使いやすさを追求して色々試してみるのも、キーマップ変更ツールの楽しみ方のひとつです!

例③英語配列でのカーソルキーカスタマイズ例

こちらは、英語配列の弱点ともいえる独立したカーソルキーがないという点を解消するため配列です。

「Fn」を押さない状態の配列

●ポイント

  • 左手で「Fn」を押せるように、左の「Alt」(Opt)を「Fn」にしています。
  • 左の「Alt」がなくなってしまうため、左の「◇」(Windows/Command)を「Alt」にしています。

「Fn」を押した状態の配列

●ポイント

  • 「Fn」+「I」「J」「K」「L」で、「↑」「←」「↓」「→」となるようにしています。
  • 「Home」がなくなってしまうため、「↑」キーの左右で「Home」、「End」が対になるようにしています。
  • 「PgUp」がなくなってしまうため、「PgDn」の対になるようにしています。
  • 「PSc」がなくなってしまうため、「Fn」+「P」を「PSc」にしています。

左側に「Fn」を配置し、カーソルキーを右手のホームポジション近くに置くことで、ほとんどホームポジションを崩さずに、左手で「Fn」、右手でカーソルキーがタッチできるようになっています。

カーソルキーは、元々、右側の「Fn」とのコンビネーションでも実行できましたが、確かにこの配列ならより押さえやすそうです!

カーソルキーの変更でなくなってしまうキーのうち使用頻度の高いものは、使用頻度の低いものと入れ替えたりして配置し直しています。

キーを変更したときに、いつも使うキーがなくなってしまわないようにも気をつけたいですね。

例④ライター向けカスタマイズ例(日本語配列)

さて次は、ホームポジションを崩さず高速で文字を打つことを重視したライター向けの配列です。
端に配置されている使用頻度の高いキーを、「Fn」とのコンビネーションで中央近くに配置することで、ホームポジションを崩さずに打てるキーを増やしています。

「Fn」を押した状態の配列

●ポイント

  • 使用頻度の高いキーを中央付近に移動したいので、「Fn」+「スペース」を「Enter」、「Fn」+「H」を「BS」、「Fn」+「*」を「Del」にしています。
  • 例③と同様に、右手のホームポジション付近にカーソルキー、「Home」、「End」を配置しています。
  • キーボードから右クリックメニューを表示するため、「Fn」+「<」をアプリケーションキーにしています。
  • 「PgUp」がなくなってしまうため、「PgDn」の対になるようにしています。
  • 「PSc」がなくなってしまうため、「Fn」+「P」を「PSc」にしています。

わー!いつもとかなり様子が変わって見えますね。こんなに変えてしまって本当にタイピングしやすいんでしょうか?

実際に触ってみるといいですよ!慣れは必要かもしれませんが、文章を打つときに多用する「Enter」や「BS」が中央にあるとかなり楽に打てると思います。

また、アプリケーションキーを配置したことで、右クリックメニューを表示したいときにも、キーボードから手を離さなくて済みますよ。

確かに!使いたいキーがほとんど手を動かさずに押せる位置にあります!
それに、使ってみてわかったのですが、カーソルキーを挟んで左側に「BS」、右側に「Del」があるので、文字の左を消す、文字の右を消す、というのが直感的にわかりますね!
配列でこんなこともできるなんてスゴイです^^

例⑤テンキー風カスタマイズ例(日本語配列)

さて次は、テンキー風のカスタマイズ例です。
Excelユーザーや数字の入力が多い方は、普段からテンキーを使用しているのではないでしょうか。しかし、HHKBはミニマルな設計のためテンキーがなく、そこがネックに感じるかもしれません。
キーマップ変更ツールを使えば、独立したテンキーには及ばないまでも、テンキーに近い感覚で入力することができますよ。

「Fn」を押した状態の配列

●ポイント

  • 「Enter」の左側に数字と計算に使用する記号を配置しています。
  • 「Fn」+カーソルキーで、「Home」「End」「PgUp」「PgDn」となるようにしています。

おお!これは確かにぱっと見、テンキーっぽいですね!

「Enter」の左にテンキー風に数字や計算記号、小数点を配置しています。右手で数字や計算記号を打てるので、テンキーのような感覚で入力できると思いますよ。
日本語配列なのでカーソルキーとのコンビネーションに「Home」「End」「PgUp」「PgDn」も入れることで、Excelでよく使用するキーも右手側に集約し、利便性を高めています。

例⑥右手でマウスを使いやすいカスタマイズ例(英語配列)

最後は、例④でご紹介したライター向けの配列を左側に集約したカスタマイズです。PCを使用する際は、右手はマウス操作が主になる方も多いと思います。キー操作をできるだけ左手だけで行えるように集約させています。

「Fn」を押さない状態の配列

●ポイント

  • 左手で「Fn」を押せるように、左の「Alt」(Opt)を「Fn」にしています。

「Fn」を押した状態の配列

●ポイント

  • 例④と同様に、「Fn」+「スペース」を「Enter」にしています。
  • 例④と同様の並び順で、「BS」、「Del」、カーソルキーなどを左手のホームポジション付近に配置しています。
  • 「Fn」+「V」をアプリケーションキーにしています。
  • 「Fn」+「C」を「PgUp」、「Fn」+「B」を「PgDn」にしています。
  • 「Fn」+「T」を「PSc」にしています。

例④の時と違って、「←」の下(「X」の位置)が空いているのはどうしてですか?

最初に少し触れたように、一部の予約キー(Bluetooth接続で使用するためのキー)は変更できません。ここでは「Fn」+「Q」、「Fn」+「X」は変更できないため、隣の「Fn」+「C」の位置から使用しています。

そうでしたね。キーマップを変更する際は、予約キー(Fn+Q、Fn+Z、Fn+X、Fn+左Control、Fn+右Shift)にも注意が必要ですね。

例の紹介、ありがとうございました!いくつかの例を組み合わせて使っても便利そうですね♪

そうですね。ぜひ、組み合わせたり、少しアレンジを加えたりしながら使ってみてください。
カスタマイズしていくうちにうちにあなただけのHHKBになりますよ^^

キーマップ設定の保存・初期化

どんなキーマップにしようか、考えるだけでワクワクします!
ただ…もしうまくいかなかったり、自分には合わなかったりしたとき元に戻せますか?

安心してください!キーマップの設定は保存できます。キーマップを変更したら設定をファイルに保存しておくとよいですよ。HHKB本体のキーマップを上書きしてしまっても、PCに保存しておいた設定ファイルからキーマップをインポートできます。
万一、元の状態がわからなくなってしまったら、初期化する(出荷時の状態に戻す)こともできます。

キーマップの設定は保存や出荷状態に戻すことが可能です。

それなら安心して変更できます!
色々試して、自分ピッタリの最高の配列を見つけたいです♪

使いやすいと感じる配列は十人十色です。ぜひあなただけの配列を見つけてくださいね



今回の記事は、「キーマップ変更ツール」についてお伝えしました。
使ってみたい配列は見つかりましたか?この記事がみなさんのご参考になれば幸いです。
みなさんのオリジナルキーマップができたら、ぜひSNS等にもご投稿ください。ハッシュタグ『#HHKBキーマップ』で投稿をお待ちしております。

「キーマップ変更ツール」は以下からダウンロードできます。
もしすでにHHKBをお持ちでしたら、ぜひあなただけカスタマイズを試してみてください。

\HHKBは、以下からご購入いただけます!/

  • 各ECモールには、「PFUダイレクト」で出店しています。
    必ず、販売元が「PFUダイレクト」であることをご確認ください。

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