ファッションにも仕事環境にもこだわりを!~ZOZOエンジニアたちもほれ込むHHKBの魅力~

取材に応じてくださったZOZO開発部門の皆さん
取材に応じてくださったZOZO開発部門の皆さん。左かららぷさん、assu_さん、ささけんさん、ikkouさん

アプリ開発や使い勝手の改善に力を注いでいるエンジニアの皆さん。普段は表に出てくることがないため、誰もが知る“あの企業”にも存在するということをうっかり忘れてしまいそうになります。

他のデスクワーカー以上にPCと向き合い、インプットインターフェースとしてキーボードに触れているエンジニアの皆さんが、どのようなキーボードを使っているのか気になりませんか?

今回は、誰もが耳にしたことのあるファッションEC「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの中の人たちに話を伺いました。

「ファッション×テック」で新しい価値を創出する株式会社ZOZO様

ZOZOTOWNは今から約20年前、2004年12月に誕生しました。ファッションコーディネートアプリ「WEAR by ZOZO」、身体の精緻な3Dモデル生成が可能な3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT」、自宅にいながら簡単に高精度な足の3D計測が可能な足の3D計測用マット「ZOZOMAT」など、様々なサービスを運営しています。

経営戦略は「MORE FASHION × FASHION TECH ~ ワクワクできる『似合う』を届ける ~」というもの。ファッションを取り扱う会社なのにテック系エンジニアも多く抱えているのが特徴的で、「ファッションとテクノロジーをかけ合わせた新しい体験の創出」を目指していることがよくわかります。

開発部門のスタッフはフルリモート、コアタイムなしのフルフレックス制で働けるので、どこに住んでいてもOK。オンラインでもコミュニケーションを取りやすく、チーム内では1on1や朝会、夕会、チーム外の人とも自由な交流が見られます。困ったことがあればすぐに質問でき、すぐに助けてもらえるというカルチャーが醸成されていて、とても働きやすいのだとか。

株式会社ZOZOで働くことの魅力について自己紹介とともに教えてもらいました!

今回のインタビューに参加してくださったのは、ikkouさん、らぷさん、ささけんさん、assu_(あっすー)さんの4人です。普段の働き方を含め、印象に残った仕事などについても聞いてみましょう。

――それぞれ自己紹介をお願いします!

ikkouさん:ikkouです。IT統括本部技術戦略部 ディレクターの他、技術広報等を担うDeveloper Engagementブロック ブロック長、XR関連を担う創造開発ブロック ブロック長も兼任しています。

ikkouさん
ikkouさん

らぷさん:らぷと申します。ZOZOTOWN開発本部ZOZOTOWN開発2部 iOSブロックに所属しており、ZOZOTOWN iOSアプリ開発における技術戦略の設計やコードレビューを中心に、チームを支える立場で働いています。

らぷさん
らぷさん

ささけんさん:ささけんです。AI・アナリティクス本部ビジネスアナリティクス部マーケティングサイエンスブロックに所属していて、主にデータ分析を担当しています。ZOZOTOWNの各種マーケティングの企画の分析や振り返りなどを行っています。

ささけんさん
ささけんさん

assu_さん:assu_です。IT統括本部 IT支援部 開発支援ブロックに所属しています。文系出身ですが、元エンジニアの経験を活かして、開発部門の契約・研究・交流、社外イベントのサポートや企画を行っていて、業務上、社内の多くの部署の人たちと関わるので、社内では「エンジニアみんなの秘書」を名乗っています。

assu_さん
assu_さん

――ZOZOにお勤めということは、皆さんは元々ファッションがお好きだったのでしょうか。

ikkouさん:入社前まではそれほどたくさん服を買うというタイプではありませんでしたね。でも、入社してから会社のビジネスの軸がファッションなので、興味が出て服を買うことも多くなりました。assu_さんはどうです?

assu_さん:元々好きでした。この会社で、エンジニアの中にはファッションのエビデンスを数値で捉えている人がいて、それにより、自分の好みに納得しているという新しい発見を得られました。自分はこれまで「好き」を言語化したり数値化したりできていなかったので、自分のファッション知識に数値をエビデンスとして「この服はこういう理由があるから自分にとって良かったのか」と自信を持ってファッションを楽しめるようになりました。

――エビデンスを得て、自分に合うものだという自信を持てる。「MORE FASHION × FASHION TECH ~ ワクワクできる『似合う』を届ける ~」にぴったりですね。おしゃれしてもリモートワークだと見せる楽しみがないのかなと思うのですが、そのあたりはいかがですか。

ささけんさん:(見せるために)出社してもいいかもと思うことはありますね(笑)。でも、自分のモチベーションを上げるためにファッションを楽しみたい。外にだけ向くのではなく、自分に対して「こうありたい」という感覚でファッションを楽しんでいます。

――ZOZOで働いている中で印象に残った仕事はありますか。

ikkouさん:GitHub社とコラボした「GitHub × ZOZOTOWN」の企画が実現したことです。「GitHub」自体はアニメのようなコンテンツでもないし、ましてやファッションブランドでもない。でも、自分がよく使うGitHubを、使ったことのない人にも楽しんでもらいたいと思っていたので、その実現は非常にうれしく、印象に残るものとなりました。

らぷさん:新卒時代から身を置いているiOSコミュニティで得られた他社とのリレーションを自社に還元したいという思いがありました。できれば、社内にたくさんいる優秀な若手が活躍する場を作りたい。それが、昨年(2024年)開かれた自社主催のアフターイベント「iOSDC Japan 2024 After Talk」で、若手2人に登壇してもらうことで、実現できた。自分が持つ経験値やリレーションを活かせたことで印象に残りましたし、うれしく感じました。

ささけんさん:ZOZOでは、サステナビリティの取り組みのひとつとして、次世代支援活動に力を入れています。その一環として2020年から行っている出前授業に、昨年参加できたのが印象深かったですね。「データ分析って何をしているの?」とか「ZOZOならではのAIやデータ活用とは」ということについて話すことができました。

これまで、社内の人のために何かをするということはしてきましたが、次世代を担う人たちが将来の選択肢を広げられるよう、社外の人へ貢献する活動をできた、ということが人生で初めてだったので、印象に残っています。

assu_さん:LINEヤフーグループの企業大学内に、「Z AIアカデミア」を立ち上げ、運営したことが印象に残っています。

以前から、非エンジニアの職種に対してもAI教育を行いたいという声があり、そのための企画を部署内でいちから立ち上げ、LINEヤフーグループを横断した数百人規模のコミュニティを運営したこと、10以上の講義を提供したことが、現在の業務にも活かせているなぁと感じています。

――皆さん、リモートワークをされているとのことですが、仕事環境または仕事をするうえでのこだわりにはどのようなものがありますか?

ikkouさん:リモートワークが本格化したタイミングで、板を買ってきて、好みの色に塗装したものをデスク天板として設置、椅子もいろいろ試して相性の良かったものを選びました。画面が見やすいよう大きめのディスプレイも買ってデスクに載せています。

ikkouさんの作業環境
ikkouさんの作業環境。広くてうらやましいですね

このおかげで、プライベートでPCゲームをするときも、心地良い環境を作っています。

ZOZOにはファッションだけでなく、キーボード含め仕事環境へのこだわりのある人も多いんですよね。自分も同じようにこだわりを持って環境を構築しています。

らぷさん:私には小学生と保育園児の子どもがいて、下の子の送迎の間だけ作業する「家族ファースト」な仕事の仕方を上の子が生まれてから10年近く続けています。そうすると業務時間が限られるので、かえって集中しようという気持ちにさせられています。

らぷさんの作業環境
らぷさんの作業環境は、集中して仕事ができるように作られています

ZOZOでは育児中の社員が多く、育児に関する悩みを相談し合ったり解決策をシェアしたりするSlack上のチャンネルもあり、知見を蓄えられるのがありがたいですね。

ささけんさん:仕事に遅れや乱れが生じるようであれば、それは自分の構築した作業環境に責任があるという考えなので、集中でき、かつ極力ストレスのかからない環境構築を妥協せず追い求めています。

ささけんさんの作業環境
ささけんさんの作業環境。計算された美しさがあります

例えば椅子の肘掛けと、キーボードの前に置くパームレストのバランスを良いものにするなどですね。これにより、長時間集中して作業しても手や肩が疲れないようになります。

assu_さん:作業環境とルーティンを整えています。ikkouさんと同じようにデスクの天板はオーダーメイドで広めのものを。ルーティンというところでは、毎朝コーヒー豆を挽いて入れて、その香りでオン・オフを切り替えつつ、業務を気持ちよく始められるようにしています。

自分の気持がアガるものに囲まれる環境が、私にとって重要だと考えています。

assu_さんの作業環境
assu_さんの作業環境は広いのにシンプル。左には気持ちを切り替えるコーヒーの入ったマグカップが見えます

「黄色いキーボードが欲しい!」という夢が実現

――ではここからいよいよキーボードについてのパートに入りますね。皆さんの使っていらっしゃるキーボードについて教えてもらえますか。

ikkouさん:Enterキーをせんみんさんのスタビライズドウッド削り出しのものに換装したHHKB Professional HYBRID Type-S 雪モデルと、スイッチをJWK社のWOBに、マウスキーのキートップをせんみんさんのウッドレジン削り出しに換装したHHKB Studio 雪モデルを使っています。

ikkouさんのキーボード
ikkouさんのHHKB Professional HYBRID Type-S 雪モデル(写真上)と、HHKB Studio。
どちらもキーボードをカスタマイズしています
HHKB Studio拡大写真
HHKB Studioマウスキーの拡大画像。よく見ると、Escキーもカスタマイズしてあります

その他、REALFORCE × 初音ミク GX1 Keyboard、Keyball44 w/Keybase44も使用しています。

らぷさん:私はHHKB Professional Type-Sに自作アイコンのキーキャップを換装したものを、左右分離式キーボードのようにして2台使いしています。

らぷさんのキーボード
らぷさんはHHKB Professional Type-Sを2台使いしています

ささけんさん:私はHHKB Professional HYBRID Type-S 墨モデルと、自作左右分離キーボードKeyball39、Keyball39ishを愛用しています。

ささけんさんのキーボード
ささけんさん愛用のキーボードはHHKB Professional HYBRID Type-S 墨モデルと、
自作左右分離キーボードKeyball39、Keyball39ishです

assu_さん:4人の中では一番HHKB利用歴が短いんですが、HHKB Professional HYBRID Type-S 雪モデルに、カラーキートップセット「蒲公英」(無刻印)を少しずつ換装して使っています。

assu_さんのキーボード
assu_さんのHHKB Professional HYBRID Type-S 雪モデルには、少しずつ蒲公英が咲き始めています

――みなさん、英語配列なんですね。HHKBとの出会い、またなぜ買おうと思われたのか、そのきっかけを教えていただけますか。

ikkouさん:キャリアの開始当初、すでにHHKBブランドは有名で、周囲でも使っている人が多かった。それが気になったのがきっかけで、最も安価なHHKB Lite2を手に入れました。その後、HHKB Professional2を買いました。元々使っていたHHKB Lite 2は後輩に譲りました。

らぷさん:新卒入社したところでHHKB Lite2を譲ってもらったのがきっかけですね。それまでMacBookに搭載しているものを使うことが多く、外付けキーボードはそんなに使わなかった。ただ、当時のMacBookのキーボードはストロークが浅くて、押すとコツコツとした感触があり、ちょっと指が痛かったんですよね。だから、HHKB Lite2を譲ってもらうことで「こういう押し心地のものもあるのかぁ」と体感できて。

その翌日、隣の席にいた別の同僚にHHKB Professional Type-S を貸してもらい、めちゃくちゃ良いなと感じ、その日のうちにECで購入しました。

――2台使いになったのはなぜなんでしょう。

らぷさん:もう1台はプレゼントでいただいたものなんです。しばらくの間はリモート用と職場用という形で分けていたんですが、今はフルリモートなので持ち帰った職場用のものも活用し、分割キーボードのように使っているというわけです。

ささけんさん:PC周りの環境を整えていた大学生時代に、漠然と「良いキーボードが欲しい」と考えていたのがきっかけですね。もちろん、HHKB以外にも数万円するような高級キーボードがありましたが、いろいろと比較していく中で、“墨”が色として際立っていまして。

もうね、他の黒いキーボードと比べ物にならないんですよ。黒ではない“墨”という色。他の黒いキーボードも合わせた選択肢の1つとしてではなく、これを買うか買わないか、という二択になり、買って今に至る、というわけです。

――墨だと、キートップの刻印が見づらいと感じませんでしたか?

ささんけんさん:目で見るのではなく、体で感じ取っているので、全く問題ないですね。

――「体で感じ取る」! 名台詞ですね。ありがとうございます。

assu_さん:私の場合、同僚のエンジニアが、おそらく無刻印の墨モデルを使っているのを見たのが最初です。「このスタイリッシュなキーボードは一体何なんだ」とときめきました。

それから、「いつか自分のテーマカラーである黄色のカラーバリエーションのものが出たら購入しよう」と心に決めて、偶然にも先月(取材したのは2025年3月)にかわいい蒲公英カラーのキートップの販売開始を知り、発売日にHHKB Professional HYBRID Type-S 雪モデル刻印ありと無刻印の蒲公英キートップセットの購入ボタンを押して今に至る、というわけです。

ただ、完全無刻印では不安なので、キー配置を覚えながら少しずつ蒲公英カラーを増やしているところで、まだ三分咲き。満開を目指してがんばります。

体の一部?――HHKBを媒介に考えが頭からPCに流れるような感覚

――使い心地はいかがですか。

ikkouさん:とても良いですね 。気持ちよくタイピングができる。だから疲れにくい。生産性にも良い影響を与えていると思います。

私自身、自作キーボードにも足を踏み入れていてキースイッチや配列などにこだわっているので分かるんですが、HHKBは、この完成度でこの価格。他にいろいろ買わずにこれ1台で済むので、安いなぁ、コスパがいいなぁと感じます。

らぷさん:打鍵感に惚れ込んで買いましたので、満足しています。新品のType-Sの静音性の高さは良いですね。

複数の会社を経てきた中、各社のキーボードコミュニティで、自作を含めたさまざまなキーボードを触らせてもらいましたが、HHKBのように自分の体に合うリリース感や反発感のものがなかなかないなと感じていました。

何を言っているんだと思われるかもしれませんが、私が長いこと演奏しているドラムでは、叩いた後のスティックと打面のリリース感や反発感が非常に重要になってくるんですよね。感覚を体で覚えて叩く。その反発感の心地良さと似たものを最も得られ自分の体に合うのがHHKBなんです。

HHKBをさわっている指

ささけんさん:やはり打鍵感が良いですね。あとは触っていて気持ちがいい。とにかく何か入力したくなるし、気づいたら「自分の頭の中で考えていることがいつの間にかPCに流れて入力されていた」という感覚です。

チャットツールSlackでも、自分の考えをうまくメッセージに乗せられるのは、HHKBが媒介として機能してくれているからかなと思います。自分の一部じゃなかろうかと錯覚するぐらいの勢いですね。

assu_さん:実は以前に一度、別のメーカーのUS配列キーボードを購入して使ったことがあったんですよ。かっこよさに惹かれて。でも1カ月で挫折しました。ところが今回のHHKBでは全然挫折する気配がありません。念願かなって購入したからなんですかね。

肝心の使い心地の部分ですが、オンラインミーティングしながら議事録を取っていても、打鍵音がマイクに響かないのが個人的にはうれしいですね。それから、手の小さい私でも指が届くのがありがたい。指が吸い寄せられるようにフィットしますし、手の動きも最小限で済む。総合的に打ちやすいな、と感じています。

――ありがとうございます。

assu_さん:でも、重要なのはここからなんです。ベースとなる雪モデルと蒲公英カラーのキートップが、デザイン面で私の家とデスクに非常にマッチしていまして(笑)。リモートワークなので家のあちこちで仕事をするんですが、どこであれインテリアのコーディネートとマッチしているし、これがあって部屋が完成しているようにすら感じています。もちろん、普段のファッションにも合わせやすいデザインで大変良いです。

――さすが、ZOZO社員さんのコメント、という感じですね。リリース時の反発感の良さ、体の一部で考えが頭からPCに流れるような感覚、自作に足を踏み入れたからこそわかる完成度の高さと比例したコスパの良さ、などさまざまな名言をいただくことができました。

ところでキーマップのカスタマイズはされていますか?

ikkouさん:英語配列キーボードでカーソルキーがないので、Fnキーと組み合わせて「I」「J」「K」「L」で使えるようにしていますね。


らぷさん:ショートカットでCtrlキーを使うことが多いので、CapsLockキーを必ずCtrlキーにする、しないと生きていけません(笑)。

あとは、自分の手癖もあるので、macOSのキーボードのショートカット設定を使い、どのアプリケーションでもCtrlキーと「J」「K」でタブ移動できるように設定しています。

ささけんさん:僕もikkouさんと同じでカーソルキーの設定をしていますね。Fnキーと「H」「J」「K」「L」。そうすると、ほとんどホームポジションから指を動かさずにカーソル移動できるんですよね。その他、「Home」と「End」やテキスト編集、スプレッドシートの操作もできるように割り当てています。

assu_さん:男性エンジニアのキーマップカスタマイズだと「自分では指が届かないだろうな」と思うので、入力の手癖がついてきたら、自分に合う配置を見つけて設定していきたいですね。

「1秒でも長く触っていたい」と思わせるキーボード

――こだわりガジェットやおすすめガジェットはおありですか?

ikkouさん:私は個人として10年近くXRやVR領域を追っていて、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)やメガネ型デバイスなどもたくさん家にあるんですが、最近はもっぱらApple Vision Proを使っています。暦本(純一)先生やせきぐちあいみさんもおっしゃっているんですが、これとHHKB Studioの相性が非常にすばらしい。入力だけでなくポインティングスティックでのマウス操作やジェスチャーパッドによるスクロールもできる。このことは、もっともっと多くの人に知ってもらいたいなぁと思いますね。

これまでは、HMDやメガネ型デバイスを使って操作するのにコントローラー以外の選択肢がほとんどありませんでしたが、Apple Vision Proでは目線でのカーソル移動や手によるジェスチャーコントロールだけでなく、Bluetooth接続のキーボードも使えます。

他のHMDでもパススルー機能により、物理的なキーボードを扱えるようになってきました。

もちろん、バーチャルキーボードを画面内に表示して、それをコントローラーやジェスチャーコントロールで扱うこともできますが、仕事で大量のテキストを入力したい、ゲーム操作をしたいという場合は、やはり物理キーボードを使ったほうが効率が良い。XR環境であっても、キーボードはまだまだ必要な入力デバイスですし、HHKB Studioはポインティングスティックやジェスチャーパッドがあるので、XRとの親和性が非常に高いと考えています。

ikkouさんお気に入りのガジェット
こちらはikkouさんお気に入りのガジェットたち。ここに入り切らないほどたくさんのXR・VR関連のものもあります

らぷさん:個人的に気に入っているガジェットとして、「Kensington SlimBlade」というトラックボールがあります。ショートカット機能の豊富さ、スクロール時のボールのフィードバックも良くておすすめです。

「Kensington SlimBlade」
らぷさんが愛用している「Kensington SlimBlade」。スクロール時のカチカチというフィードバックがお気に入りです

あとは「DENTEN」ですね。有線無線両対応なことや、テンキーとしてだけでなく電卓としても使える。個人事業主として経理作業で数字をたくさん入力しなければいけないことがあって、そういうときに重宝しています。

ささけんさん:キートップ、キースイッチともにHHKB Studioのものを使った自作分割キーボードのKeyball39を、HHKBの分割かつトラックボールつきという最強セットアップとして愛用しています。

キーボードを使っていると、マウス操作など、どうしても手を離さなければいけない瞬間がありますよね。でも私は1秒でも長くHHKBに触れていたい。この分割キーボードならトラックボールもあるので、その願いがかなうんです。

assu_さん:ささけんさんの後はいやだなぁ(笑)。

以前からのものですが、愛用しているApple Magic Trackpadの配置を、HHKB Professional HYBRID Type-S購入をきっかけに、変更しました。というのも、MacBookだけで作業するときに奥側にキーボード、手前にTrackpadという配置になりますが、HHKB Professional HYBRID Type-Sを使うときに、配置が異なると作業効率が落ちてしまう。なので、それを再現するというこだわりを持っています。

assu_さんのこだわり
assu_さんは、ガジェットだけでなく配置にもこだわりを持っています

――HHKBに関連したエピソード、またはHHKBに期待することがあれば教えていただけますか。

ikkouさん:HHKBユーザーとして、このような場に呼んでいただけたことですね(笑)。

――確かにそうですよね(笑)

assu_さん:実は夫も英語配列のHHKB Professional HYBRID Type-S 墨モデルの無刻印を使っているんですよね。たまに夫婦で出かけた先の喫茶店などでリモートワークをすることがあるんですが、私はこの蒲公英が良いのでいつも持ち歩いて使っているんですが、夫はそうではないんですよ。

なのに、「ちょっと貸して」と言われる。聞けば、「外出先でもやっぱりHHKBがいいなぁと思って」と。家だけでなく、出先でも使いたいと思わせるのがHHKBなんだなぁと感じました。

ikkouさん:夫婦で使っていると、お互いにチェンジできるからなんかお得ですね(笑)。

assu_さん:もうひとついいですか? いつもなら、レビューなどを調べてモノを購入するんですが、今回のHHKB Professional HYBRID Type-Sに関してはほぼ調べることなく購入に至りました。というのも、会社のSlack上にある個人のチャンネルで「HHKB買おうかな」と呟いたらいろんな部署の人たちがおすすめポイントを教えてくれて。

身近な人からのレビューは最も信頼できるじゃないですか。そのエンジニアさんたちのおかげで、ほとんど下調べせずにポチッと即購入できました。

ささけんさん:入社直後に上長との1on1で、緊張してうまくしゃべれなかったんですよね。上長から「趣味や好きなものある?」と雑談を振られたときに、内心ではZOZOという会社の人に対して何が好きだと言えば良いのかと悩んだんですが、正直にHHKBを見せて「HHKBシリーズが好きなんです」と切り出したら、「僕も使っているよー!」とカメラの前に持ち上げてくれて、そこからキーボードトークが始まり、その後の会話も、業務もみるみる円滑に進んだ、という経験をしたことがあります。

まさかHHKBが、入力する以外で業務を助けてくれるとは思わなかったので、これは大切なエピソードとして印象深いですね。

らぷさん:先ほどお伝えしたように、この打鍵感は他のキーボードでは出せないんですよね。なので2台運用をしているんですが、いかんせん幅を取りすぎていまして(笑)。

ぜひ、公式で分割キーボードを出してもらえないかなぁというのが私の願いです。出たら、即座に購入します!

――皆さん、お忙しい中、HHKBにまつわるすてきな話を聞かせてくださりありがとうございました!

執筆者

渡辺まりか

通電するガジェットをこよなく愛するフリーランスライター。馬が好きで乗馬ライセンスを、海が好きで二級小型船舶操縦士免許を、昔からのあこがれで普通二輪免許を取得するなど多趣味。物欲を抑えつつ、編み物をライフワークとするなどアナログな一面もある。

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