あこがれのHHKB英語配列に挑戦してみた!
~日本語配列→英語配列への切り替えレポート~

キーボード(HHKB)の配列は、大きくわけて日本語配列(JIS配列)と英語配列(US配列/ANSI配列)がありますよね?
日頃、皆様はどちらをお使いでしょうか?
HHKB Lifeスタッフにも、「以前は日本語配列を使っていたけれど、英語配列に変更した」というメンバーが多くいます。 そのメンバーたちも最初は、
- 英語配列のほうがプロっぽくて、見た目も単純にかっこいい
- HHKB配列のオリジナルはやはり英語配列なのであこがれる
- 市販の海外製キーキャップセットなどで、もっとカスタマイズを楽しみたい
などの軽い気持ちで配列変更したとのことですが、果たしてその移行はスムーズだったのか、また変更後はどうなっているのでしょうか?
というわけで、今回は、日本語配列から英語配列への配列切り替えについてレポートしてみようと思います。
おすすめの切り替え手順やTipsなどもご紹介しつつレポートしますので、
「実は英語配列にちょっと興味がある」、「英語配列を購入するか迷っている」という方はぜひお付き合いください。
また、本記事を読んで感想やご意見などあれば、ぜひ「#HHKB-us」タグでコメントくださいね。
なぜ今、英語配列(US配列)?
日本で使われているキーボードの主な配列は?
世界には多くの種類のキーボード配列がありますが、日本で主に使われているのは、日本語配列(JIS配列)と英語配列(US配列/ANSI配列)の2種類です。
エンジニアやゲーマーなどの方々は、英語配列を使われている方も多く、HHKBもラインナップとして日本語配列、英語配列の両方があり、英語配列を好んで使われる方も多いですよね。

違いがわかるかな?
パっと見てどちらの配列なのかを見分けるには、【Enter(Return)】キーの形をチェックすると簡単にわかります。
英語配列は【Return】キーが1段だけの細長いキーになっていて、日本語配列は、【Enter】キーが逆L字型になっています。

その他、【Shift】キーの形状、スペースキーの長さ、カーソルキーや【半角/全角】キーの有無など、いくつか違いがあります。
\詳しくは、ぜひこちらの記事をどうぞ/
同じ英語配列でも、お使いのキーボードによって配列は微妙に変わってくるので、HHKB以外の英語配列をお使いの場合は、お使いのキーボードをよくご確認くださいね。
\HHKBの配列については、ぜひこちらの記事をどうぞ/
HHKB日本語配列⇒英語配列への変更手順(切替えステップ)
ここからは、HHKB Lifeスタッフに取材してまとめた日本語配列から英語配列への切り替え方法について、手順形式でご紹介していこうと思います。
1. HHKB英語配列を利用するための準備
まず、英語配列のHHKBをPCに接続します。
USB接続でもBluetooth接続でもどちらでもOKですが、キーマップ変更も一緒に行う場合はUSB接続しておきましょう。
接続したら、HHKB本体の電源がちゃんと入っているかも確認してください。
【Windows 11の場合】
システムの「設定」―「Bluetoothとデバイス」―「デバイス」で、システムに接続されているキーボードを確認しましょう。

接続確認した後は、システム(OS)側のキーボードを「英語配列」に変更します(入力モードは日本語入力のままでOK)。
システムの「設定」-「時刻と言語」-「言語と地域」-「日本語」の「…」から「言語のオプション」を選択します。

表示される「時刻と言語>言語と地域>オプション」の画面で、「キーボードレイアウト」が「英語キーボード(101/102キー)」になっているかを確認します。

英語キーボード(101/102キー)に変更しよう
システム(OS)側のキーボード設定が日本語キーボードになっていると正しく入力できないので、必ずこの設定を確認してください。英語キーボードになっていなければ、必ず設定を変更してくださいね。
なお、まれにWindows Update後に、日本語キーボードの設定に戻ってしまうこともあるのでご注意くださいね。
【macOSの場合】
英語配列のHHKBをmacOSに接続すると、自動的にキーボード設定アシスタントが起動され、キーボードの設定が行えます。
(「システム環境設定」→「キーボード」→「キーボードの種類を変更」からも同じ設定が行えます)


接続するキーボードの種類に「ANSI(米国)」を設定しよう
ANSI(米国)配列になっていればOK!
これで英語配列のHHKBを正しく使えるようになるはずです!
\キーボード設定の詳細はFAQをどうぞ/
ついでに、HHKBのファームウェアやキーマップ変更ツールが最新になっているかも確認しておきましょう。
なお、英語配列のキーの位置などをきちんと覚えるまでは無刻印モデルは厳しいかなと思うので、刻印ありのHHKBを接続して使うのがおすすめです。
墨のHHKBも暗いところでは印字が見えにくいのですが、そこはがんばってください。(笑)
2. カーソルキーや【Delete】/【BS】キーの違いを把握する
まず、英語配列と日本語配列で大きく違うのはカーソルキー(【←】【↑】【↓】【→】)の有無です。 英語配列には、日本語配列で慣れ親しんだ(?)カーソルキーがありません。

カーソルキーがない(HHKB Studioでも同様)
英語配列では、初期状態で【Fn】キーと【 [ 】【 ; 】【 / 】【 ’ 】キーを同時押しすることで、カーソルキーを入力できるようになっています。

ProfessionalシリーズでもHHKB Studioでも同様です
初期状態のままカーソルキーが入力できるように練習するのもよいですが、最初はなれないと思うのでキートップの色をここだけ変更するのも1つの方法です。
また、キーマップ変更ツールで、お好きな場所にカーソルキーを設定して使うのもおすすめです。
Professionalシリーズの場合、右端にある【Fn】キーを必ず使う操作になるので、普段のお仕事や作業を考慮し、使いやすい配置にカーソルキーを割り当てましょう。
ちなみに、弊社のスタッフでは、ゲームでよく使う【A】【W】【S】【D】に設定したり、【J】【I】【K】【L】キーに設定したりする人もいました。
HHKB Studioの場合は、標準、Fn1、Fn2、Fn3の合計4レイヤーを使って好きにキーマップ設定できるので大変便利!どこでも自由にキーマップ設定してください!
英語配列は最低限のキーしかないため、Professionalシリーズの場合、どこにカーソルキーを設定するかはちょっと悩ましい問題ですが、HHKB Studioなら大丈夫。
なので、英語配列を使うならHHKB Studioがとてもおすすめですよ。
さて、次にチェックしておきたいのは、【Delete】キーと【BS】(Back Space)キーの違いです。
HHKBの英語配列は、【Return】キーの上に【Delete】キーが配置されていて、日本語配列は、【Enter】キーの上は【BS】キーになっています。

位置も違いますが、その入力方法も異なっています
【Delete】キーはカーソルの右側の文字を消すキーで、【BS】キーはカーソルの左側の文字を消すキー。動きが逆になっているため、【BS】キーに慣れた日本語配列から移行すると、その点についてまず違和感があるはずです。
HHKBの英語配列で【BS】キーは、【Fn】キーと同時押しで入力する必要がありますし、【Delete】キーよりも【BS】キーをよく使う方は、DIPスイッチの値を変更しておくことをおすすめします。

英語配列の【Delete】キーを【BS】キーに変更できます
(【Delete】キーは、【Fn】キーと同時押しで入力可能)
ProfessionalシリーズをWindows環境でお使いの場合に、DIPスイッチの「SW3」が「Delete」キーを「BS」キーに切り替えられるスイッチです。
HHKB StudioでもWindows環境でお使いの場合は、DIPスイッチの「SW5」をONにすると同様に切り替えられます。
macOSの場合は、「SW3」や「SW5」は無効となりますのでご注意ください。
常にmacOSの【Delete】キーの動作になります。
また、DIPスイッチを変更するときは、必ずHHKB本体の電源を切ってから行ってくださいね。
3. 記号キーや修飾キー(デザインキー)の違いを把握する
英語配列は、日本語配列と記号キーや修飾キーの位置や数が異なります。
ですので、まずはその違いをきちんと把握することがとても重要です。

プログラミングやパスワード入力などで多用する記号、ショートカットに使う修飾キーなど、重要な記号キーや修飾キーの位置を確認しましょう。
また、日本語配列から英語配列に変更した場合に、一部のショートカットの入力などが変わる場合もあるようなので、よく使うツールやショートカットが日本語配列のときと同じように問題なく使えるか、確認しておきましょう。
Visual Studio Codeなどの開発ツールやAdobeのツールなど、一般的なアプリのショートカットは、基本的に英語配列を前提に考えられているものが多いので、案外、日本語配列のときよりもより使いやすくなるかもしれませんよ。
また、日本語環境で英語配列を使う場合、半角のバックスラッシュ「\」が円記号「¥」として表示される場合があります。これはフォントと関係しているのですが(日本語フォントだと「¥」になる)、このことも把握しておきましょう。
半角の「バックスラッシュ」をどうしても入力したい場合、以下のような個別の対応が必要になります。
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さて、記号キーや修飾キーの配置や入力方法について確認した後は、日本語の変換や入力に関するキーについてもぜひ確認しておきましょう。
4. 日本語変換、入力切替えキーの違いについて把握する
英語配列には日本語配列にある「変換」、「無変換」、「全角/半角」などの日本語変換に関するキーがありません。そのため、そのキーを使わずに「半角英数字入力←→日本語入力」の切り替えや、日本語のいろいろな入力をどう効率よくするかを把握しておく必要があります。
日本語(かな)入力⇔英語(英数文)入力の切り替えに慣れよう!
英語配列の場合、「半角英数字入力←→日本語入力」の切り替えは、一般的には以下の操作でできます。
【ALT】+ 【`】で日本語入力ON/OFF切り替え(トグル形式) | |
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ご存知のとおり、HHKBをお使いの場合はキーマップ変更ツールで、使いやすいように(入力切り替えができるように)カスタマイズできます。
おすすめのキーマップの設定については、「5. HHKBキーマップ変更ツールで使いやすいようにカスタマイズ!」でまとめてご紹介しますので、ぜひそちらもご確認ください。
英語配列での日本語の変換、全角半角変換、無変換はちょっと工夫が必要!
英語配列で【無変換】や【半角/全角】キーなどがなくても、半角英数字、かな、カタカナが混在する日本語の入力や変換が問題なくできるかも確認しておきましょう。
例えば、以下のような文字変換に関するショートカットを設定して利用するのも便利です。
【Windowsの場合】 | |
【F6】 | ひらがな変換 |
【F7】 | 全角カタカナ変換 |
【F8】 | 半角カタカナ変換 |
【F9】 | 全角英数変換 |
【F10】 | 半角英数変換 |
【macOSの場合】 | |
*1:半角カタカナ(「日本語 - かな入力」または「日本語 - ローマ字入力」の「入力ソース」設定で「半角カタカナ」が選択されている場合)
使用頻度の高い上記のショートカットを覚えたり、【F6】~【F10】キーを、別のキーに割り当てたりしておくと、より使いやすくなると思います。
5. HHKBキーマップ変更ツールで使いやすいようにカスタマイズ!
英語配列を効率よく使うためには少し工夫が必要ですが、HHKBならキーマップ変更ツールを使って解決できることも多いですよね。
ここからはHHKB Lifeスタッフが実際に設定しているキーマップ例についてご紹介していこうと思います。
【HHKB Studio(Windows)の場合のカスタマイズ例】
HHKB Studioの場合、初期設定でProfile1にはWindows用プロファイルが設定されていますので、それをベースに利用して定義します。



日本語変換しやすいカスタマイズ
【ポイント解説】
- DIPスイッチで【delete】キーを【BS】キーに変更(DIPスイッチの「SW5」をONに設定した後、Profile1をベースにキーマップ設定
- 「半角英数字入力←→日本語入力」の切り替えのショートカットキー(【ALT】+【`】)を、標準レイヤーの右【◇/⌘】(Windows)キーに設定
- 日本語変換でよく使う全角カタカナ変換【F7】と、半角英数変換【F10】を、Fn2レイヤーの【H】と【J】キーにそれぞれ設定
- Fn3キーを右【ALT/Opt】(ALT)キーに設定
- Fn3レイヤーの【WASD】にカーソルキー(↑←↓→)、その他テンキーなどを設定
【HHKB Studio(macOS)の場合のカスタマイズ例】
HHKB Studioの場合、初期設定でProfile2にはmacOS用プロファイルが設定されていますので、それをベースに利用して定義します。



日本語変換しやすいカスタマイズ
【ポイント解説】
- Profile2ベースでキーマップ設定を行います。
(DIPスイッチの「SW5」はmacOSではONにしても無効) - 標準レイヤーの右【◇/⌘】(command)キーに【Kana】(かな)キーを設定し、Fn1レイヤーの右【◇/⌘】キー(command)に【英数】キーを設定
- Fn2レイヤーの【H】と【J】キーに、日本語変換でよく使うカタカナ変換【F7】と英字入力【F10】をそれぞれ設定
- Fn3キーを右【ALT/Opt】(Option)キーに設定
- Fn3レイヤーの【WASD】にカーソルキー(↑←↓→)やテンキーなどを設定
(Windowsの場合と同様に設定)
【Professionalシリーズ(Windows)の場合のカスタマイズ例】

日本語変換しやすいカスタマイズ

日本語変換しやすいカスタマイズ
【ポイント解説】
- DIPスイッチで【delete】キーを【BS】キーに変更(DIPスイッチの「SW3」をONに設定)
- 日本語入力ON/OFF切り替え(【Alt】+【`】)を入力しやすくするため、標準レイヤーの右【◇/⌘】(Windows)キーに【`】を設定
- よく使う全角カタカナ変換【F7】と半角英数変換【F10】を、Fnレイヤーの【B】と【N】に設定
- カーソルキーは標準設定(【Fn】+【;】【[】【/】【’】)で使用
【Professionalシリーズ(macOS)の場合のカスタマイズ例】

日本語変換しやすいカスタマイズ

日本語変換しやすいカスタマイズ
【ポイント解説】
- DIPスイッチで「SW1」をOFF、「SW2」をONに変更し、Macモードを有効に変更します。なお、「SW3」はmacOSではONにしても無効になります。
- 標準レイヤーの右【◇/⌘】(command)キーに【Kana】(かな)キーを、右【ALT/Opt】(Option)キーに【英数】キーを設定
- Fnレイヤーの右【◇/⌘】(command)と右【ALT/Opt】(Option)キーに、日本語変換でよく使うカタカナ変換【F7】と英字入力【F10】をそれぞれ設定
- カーソルキーは標準設定(【Fn】+【;】【[】【/】【’】)で使用
なお、ちょっと余談にはなりますが、旧製品の「HHKBキー配列切替ツール」というものについて皆様ご存知でしょうか?
旧製品用なのでサポートは終了しているツールですが、HHKBのキーボードドライバを簡単に変更できるツールです。Windows環境の方は、READMEファイルをご確認の上、こちらもご利用ください!
https://happyhackingkb.com/jp/download/tooldownload.html
6. いろいろなアプリや環境、ツールを使ってタイピング練習
最後に、いろいろなアプリや環境で使ってみて、入力練習をしてみましょう。
タイピングソフトなどを使って、自身の強化ポイントを中心に練習するのもおすすめです。
例えば、記号の入力を重点的に強化するならタイピングソフトで、「記号あり」の英文タイピングを練習したり、Visual Studio Code などのよく利用するツールで、{} や [] などの記号をたくさん打つ模擬コード入力をしたりするのも効果的かも。
英語配列は【Return】(Enter)キーが小さく、【Delete】キーの位置も違っていたり、左右の【Shift】キーや【Alt】キーのサイズや位置も少しっていたりするので、最初はタイピングミスすることもあります。
ちょっとした違いではありますが、時間のあるときに練習して修飾キー(デザインキー)の違いなどにも慣れていきましょう! 少し、タイピングの再練習は必要ですが、慣れれば記号や数字の入力についても英語配列は非常に合理的で快適です!
普段、自分が使ういろいろなツールや環境で問題なく使えるようになれば、これで英語配列への移行は完了です!
英語配列に切り替えてみて気づいたこと(よかったところや感じたこと)
さて、最後に、英語配列へ切り替えた後の気づきとして、よかった点や感じた点について簡単にまとめておきます。
【結論】 |
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英語配列に変えてみて感じたこと |
【結論】 |
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今回は、HHKBの日本語配列を使っていたHHKB Lifeスタッフが、英語配列へ切り替えたときの手順や気づきなどについてレポートしてみましたがいかがでしたか?ちょっとでも、皆さんのご参考になれば幸いです!
感想やご意見などがあれば、ぜひ「#HHKB-us」タグでコメントくださいね。
実際に、英語に切り替えた後の感想をスタッフに聞いてみると、皆、意外と好評なのに驚きます。
個人差はあると思いますが、皆、2週間前後ぐらいで慣れてしまったようで、いったん慣れてしまえば英語配列は「シンプルで使いやすく、タイピングが楽しく、快適だ!」と、口をそろえて力説しておりました!
もし、興味のある方がいらっしゃったら、ぜひ試してみて欲しいです!
HHKBは、タッチ&トライスポットの他、ゲオ長期レンタルなどもご利用できますので、ぜひ一度、英語配列のHHKBもご利用ください!
\USキーボードについては、こちらの記事もあわせてどうぞ!/
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