けん盤配列にも大いなる関心を
Please Pay Your Attention to the Keyboard Layout

東京大学工学部教授
和田 英一 Eiiti Wada

PFU Technical Review
Vol.3,No.1(Feb.1992)
pp.1 - 15

参考文献


7.おわりに

ISO には DIS 9995 のような計画もあるみたいだが、現在使っているキーボードをもう少し気持ち良くする提案をしてみた。キーボードはなるべく小さくすっきりとさせたいというのが動機である。一応 Sun3、Sparcstation2のキーボードを基準とし、わけの分からないファンクションキーは取り払った。このくらいのキーボードを使ったワークステーションやノートブックパソコンが出てこないものか。

筆者は仮名文字キーボードはいらない主義だが、キーボードの配置をみて日本語/英字の切替えのキーはどこにあるかと心配する読者もあるに違いない。あまり切替えキーについて考えたわけではないが、キートップの仮名文字はユーザーの便利のためにあるもので、けん盤から送り出されるコードは英数のシフトの時と同じでよいのではないか。つまり計算機やエディタにいまはどちらのモードで入力中だということが分かればそれでことは足りるというのが基本的な考えである。これを一歩進めると、キーボードからは、押したキーの座標だけ送れば良いということになる。コード変換は計算機の方がずっと得意だからだ。

今回は全然触れなかったが、日本には親指シフトキーボードとか、新ローマ字漢字変換式キーボードとかが存在する。前者の参考文献は木村君の新書[16]しか知らないが、後者については発明者の森田さんの解説[17]がある。これらも含め、キーボードのありかたについてご検討いただき、ユーザーを惑わせないようにしてくださると有難いと思う。